五 山 の 送 り 火
 京の夏を彩る五山の送り火。
 私は長いこと大文字だけだと思っていた。それが五山、しかも鳥居形や船形まであることを 
 知ったのは最近である。
 灯りを落とした京の町に、夜、浮かび上がる『大』の一文字。チャンスが巡って来た。

     ウン、行かずばなるまい、見ずばなるまい。

 4Fのベランダから大勢の人と一緒にカメラを構える。まさか私のカメラと腕で写るとは思っ ていなかったので、何とかキャッチできたこの映像は私にとっては、思いがけない結果。結果よければすべてよし。私の送り火見物はこれで大成功。
『妙』の字は思いがけず近くに見えて吃驚。それもその筈、ここへくるとき道を間違えたら怪我の功名か、まだ準備中の、妙の字が間近に見えてこれも吃驚。
京都の人なら当然知っている事、私には何事も始めての経験で新鮮!

『法』は近年高いビルが増えて本来なら『妙』と並んで見えるらしいのが、
残念なことに今はすっかり姿を隠している。
船形は一番小さく見えたのに、私のカメラ操作がまずくて実際の遠近感より大きく写ってしまった。

他の人たちが、「おっ!船形も見えるじゃないか!」と言っていたところをみると、地元の人でも、あまり期待していなかったらしい。
みんな熱心にカメラのシャッターを押している。
私はまだこの時、自分のカメラにちゃんと写っているかどうか心許なかった。

家に帰ってちゃんと画像を確かめた時の嬉しさは言うまでもない。
この送り火を観たのは左の美術館。
京都ギリシアローマ美術館という。古代ギリシアローマノ彫刻、陶器、装身具などなど、それがすべて本もの。個人のコレクションと聞いて目を見張る。

道を間違えたら、右のような『妙』が目に飛び込んできた。なんだか得をしたような、見なくてもいい楽屋裏を見てしまったような・・・。ヘンな気持ち。
下の写真は、6月に訪れた時のアプローチの写真。
折りよくアカンサスが咲いていた。 レモンが黄色くなる頃、また行ってみたいものだ。             入 館 券                                
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