02・9.3
02/9/3
風の盆を観に八尾へ行きます、といった途端、「いいなぁ、いっぺんは観たいと思ってるが、まだ観てないなぁ」と、
そばにいた三人の男性がそろって溜息をもらしました。
その時、ああ、風の盆は矢張り男性の心も惹きつけるものがあるんだ、と思ったものです。
八月のじりじりとした暑さもおさまりはじめ、ふとかすかな風の動きに秋を感じる頃、八尾の人々はこの風の盆を
三日間昼夜の別なくあの哀調を含んだ胡弓の音とともに町内を練り歩き五穀豊穣を祈るまつりを繰り広げます。
日本のまつりというとどちらかと言うと賑やかなものが多いような感じを受けますが、
ここの風の盆は300年の伝統を持ちながら
今も変わりなくその伝統を受け継いで訪れる人の心を別世界に誘います。
私たちは、すっかりおわらの魅力にとりつかれて4,5年通い続けたという友人のつてをたよって幸運にも
猫と二人暮し?の女性の家の階下二間をお借りする事が出来ました。
その女性も町流しでご自慢ののどを聴かせるとあってはお世話をかけることは一切出来ません。
そこはそれ、女性はお手のもの、食事などはすべて持参か現地調達でいきましょうということにしましたが、
そのかたのお妹さんがそれは美味しい押し寿司の差し入れしてくださり、
なんの苦労もなく心づくしのご馳走に舌つづみをうつことができました。
なんて私たちはめぐまれているのでしょう。
ここでは人のつながりとめぐり合わせののフシギさを考えさせられるような事が次々と起こり、
それが八尾の人々の人情ともからんで、本当にいい二日間でした。
next |