アテネは古いものと新しいものが混在するギリシアの首都。国の人口の三分の一がこの町に集中している上に、今年はオリンピック開催地とあって市内のいたるところが工事中で混雑していました。

アテネを最初にとりあげましたが、実際はここを訪れたのは、旅の最終日。これまでに訪れた、他の土地では、ほとんど、信号もないようなところばかりだったので、久しぶりの雑踏に、今まで、いかにのんびりゆったりしたところに居たかを実感しました。ああこれが普通だったんだ、と思い出させてくれる。

短い間に古代と現代を味わったような気持ちがしました。


アテネには、午前10:10 に着く予定。早朝、機の窓から雲の様子で日の出間近であることがわかる。カメラを持って窓際で待機する。私の腕ではどんな画像が取れるか、皆目見当もつかないけれど、やみくもにシャッターを押すのみ。
朝、6時ごろ、だんだん日の出が近づいてくる。去年は幸運にも月と火星のランデブーを機内から目の高さで見ることができました。今回は日の出。同じく幸運を信じて、パチパチ。
やがて島々も見えてくる。あれは島なのか、半島なのか?やがて高速道路のカーブが目に入る。 空港内は意外に閑散としていました。
パルテノン神殿
アテネ、といえば先ずパルテノン神殿を思い浮かべるでしょう。
BC438年に15年の歳月をかけてアクロポリスの丘に建てられ、アテネの守護神アテナを祀っていますが、アテネのみにとどまらずギリシアの象徴的存在でもあります。アクロポリスの丘に建つこの神殿はアテネ市内のどこからでも見ることが出来ます。
前夜、ライトアップされた神殿を市中から見たときの感激は忘れられない。真っ白に浮かび上がったその姿は威容と言うより、清浄と言う形容がぴったりでした。

けれど、この日訪れたパルテノン神殿は、2500年の長い歴史を物語るかのように、いたるところ修復工事中の痛々しさ。幾多の戦乱や災害で、または、エルギンマーブルのように英仏など、外国に持ち去られたもの数知れず。 しかし、矢張り王者の貫禄は失せていません。
エンタシスで知られるその柱は内部へ15度傾いている。そのために却って優美な感じを与えているのだそうな。中央部が膨らんでいるというエンタシスの特徴は特には観られない。上から下へすーっと太くなっているだけ。内部は修復工事の足場が組まれていますが、向こう側まで見通し。後ろを振りかえれば360度アテネ市内が見下ろせます。


ルテノン神殿 ドリス式建築荘重で典雅といわれる

エレクティオン神殿イオニア式の神殿で六体の女神の柱頭が
支えている。これはレプリカ。本物のうち一体は大英博物館に。
ここから上がって行った 観光客はまばらであった。
だるま落しのような石。中央の穴に芯を通す
昔はもみの木。今はチタン
猫が いたるところ に居る。 工事中の 足場 が架けられている。
靄っていなければ リカベトスの丘 が見える BC6世紀に建てられたギリシア最古のディオニュソス劇場。
入り口脇のウインドウ。トロイの馬の頭部とか、御者の像がみえる。 オリンピックを控えて野良犬の多さに市当局は苦慮している
パルテノン神殿の入場券
アテナ
アテナは、智慧の女神メティスを飲み込んだ主神ゼウスの頭から生まれた。頭痛を訴えるゼウスの頭を匠神ヘスパイトスが斧で割ると、鎧、兜で武装し、成人した姿で飛び出したのがアテナである。智慧と戦の女神、そしてアテネの守護神であり、機織の神でもある。

ディオニュソス
ディオニュソスは、ゼウスとテーバイ王女セメレとの間に出来た子供である

アテネ市内
たしかに「車窓観光」とパンフレットにはうたってあったけれどバスで通り過ぎるだけの見物である。下車したのは今年8月から始まるオリンピックを意識してかパナシナイコ競技場のみ。しかも工事中で中へは入れない。尤も、外から見ても一目瞭然、入ってみるまでもありません。5分でカメラタイムも終わり。考古学博物館もあのスニオン岬の夕日もみられない。
今までのあのしじまは何処へやら、人と車でごった返している。矢張りアテネも21世紀の都市、という実感を持つ。
  
オリンピックのシンボルマーク マスコットの、アシーネちゃん(アテナ)と、フィボス君(アポロン)
パナシナイコ競技場。既にオリンピアで採火された聖火が
ここで燃えていた。
振り返ればパルテノン神殿が見える
第一回オリンピックの映像が見える。車中より 5年前の世界大会のマラトンからのコースラインが青く引かれている
大統領官邸前の衛兵さん 国会議事堂
国立考古学博物館 アテネの人々

エピダウロス